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知的財産コラム

特許法とは?発明を守り産業を支える法律

投稿日:2026年08月03日 更新日:2026年08月03日
キーワード:  

「特許法とは、どのような法律なのだろうか」
「特許法とは、何を保護するためのものなのだろうか」
と気になりませんか。
特許法は、発明を法的に保護し、その発明を公開することで、技術の進展と産業の発展を促進する法律です。本記事では、特許法の基本的な役割や、発明の定義、特許を取得するための条件、特許取得までの流れについて詳しく解説していきます。

特許法の目的とは?

特許法の目的は、発明を保護し、発明者が自身の技術的創作を独占的に利用する権利を持つことによって、産業の健全な発展を図ることです。発明者の利益を守るだけでなく、技術の公開を奨励し、技術革新が広く社会に役立つことを促進する意義もあります。

特許における発明とは


弁護士
野俣 智裕
特許で保護される「発明」とは、新しい技術的なアイデアや解決方法を指し、いくつかの条件を満たす必要があります。ここでは、その要件について解説します。

高度なものであること

「発明」は高度なものである必要があります。これは、実用新案法における「考案」と区別するためのものです。「考案」も発明と同様に自然法則の基づく技術的思想の創作ではありますが、「発明」には、考案に含まれる部分のうち技術水準の低いものは当たりません。

自然法則に基づくこと

特許法上で「発明」として認められるためには、その技術が自然界で観察される科学的な法則、つまり自然法則を利用している必要があります。これは、特定の課題を解決するための手段が自然の法則に従っているかどうかを示すものです。例えば、ゲームのルールなどは自然法則を活用していないため、認められないということです。

技術的思想があること

特許として認められるためには、具体的で実用可能な「技術的思想」が含まれていることが求められます。これは、単なる情報や技能の提供ではなく、再現可能な技術的な解決手段を指します。例えば、野球における特定の投球方法(カーブやスライダーの投げ方)や、美術作品の制作技法、あるいは機械の使い方を説明しただけのマニュアルなどは技術的思想に該当せず、特許法上の「発明」とはみなされません。

創作性があること

特許で保護される「発明」は、人によって新たに創作されたものであることが求められます。単なる自然物の発見や、自然に存在するもの自体は特許の対象とはなりません。

発明の分類3つ


弁護士
野俣 智裕
ここでは、発明の3つの分類について解説します。

物の発明

「物の発明」とは、原則として、具体的な形状や構造を持つ有体物に関する発明を指します。例えば、新しい素材で作られた機械部品や、独自の機能を持つ電子機器などが該当します。これらは物理的に存在し、触れることができる製品や装置です。なお、プログラムは無体物ですが、情報技術の進展や有体物と同様の流通性に鑑みて、「物」に含まれています。

方法の発明

「方法の発明」は、特定の目的を達成するための手順やプロセスに関する発明です。例えば、新しい製造工程や、データ処理のアルゴリズムなどがこれに当たります。これらは物理的な形を持たず、行為や操作の手順として存在します。

物を生産する方法の発明

「物を生産する方法の発明」は、特定の物を製造するための独自の手法や技術に関する発明です。例えば、新しい化学物質を合成するプロセスや、特殊な加工技術によって製品を生み出す方法などが該当します。製造方法自体が特許の対象となり、その方法によって生産された物も保護される特徴があります。

特許取得可能な発明とは


弁護士
野俣 智裕
ここでは、特許を取得することができる発明について解説します。

新規性

新規性とは、発明が出願前に公に知られていない、まったく新しいものであることを指します。特許法では、出願前に同じ技術が公開されていると、その発明は新規性を欠くと判断され、特許の対象外となります。具体的には、同じ技術が既に論文やインターネットなどで公開されている場合、その技術は特許として認められません。新規性を確保するためには、事前に「先行技術調査」を行い、類似の技術がないか確認することが重要です。

進歩性

進歩性とは、発明が既存技術に比べて新たな技術的進展を伴っているかどうかを示す要件です。既存技術から容易に考え出せる発明は、進歩性がないとされ、特許の対象にはなりません。たとえば、単に部品を追加しただけの改良や、既存の方法を単純に組み合わせただけのものは進歩性が認められにくいです。進歩性を証明するためには、発明が新しい技術的課題を解決する方法や、技術的な効果を示す必要があります。

産業上の利用可能性

産業上の利用可能性とは、発明が実際に工業、農業、商業、サービス業などで活用できるものであるかどうかを判断する基準です。発明が単なる学術的な理論や抽象的な概念である場合、産業上の利用可能性がないとされ、特許の対象にはなりません。具体的には、発明が製品や製造方法として実際に使用され、実施可能であることが求められます。たとえば、医薬品の製造プロセスなどが該当します。

公序良俗に反しないかどうか

公序良俗に反する技術や、倫理的に問題のある技術は特許として認められません。具体例として、クローン技術の一部がこれに該当する可能性があります。こうした技術は社会的影響を考慮し、特許の対象外とされています。

先願していること

特許制度において「先願主義」とは、同じ発明が複数の出願者から申請された場合、最も早く出願を行った者に特許が認められる原則です。このため、発明を思いついた際には、できるだけ早く出願を行うことが重要です。同一または類似の発明が後から出願された場合、たとえ実質的に同じ発明であっても、後願者には特許が認められません。

特許取得の流れ


弁護士
野俣 智裕
ここでは、特許取得の流れについて解説します。

先行技術調査

特許出願を行う前に、同じ技術が既に公開されていないかを調査します。これを「先行技術調査」といい、特許の新規性を確認するために非常に重要なステップです。日本特許庁が提供する「J-PlatPat」などのデータベースを活用し、関連する特許や技術文献を検索して確認します。

出願

特許を取得するためには、発明内容を記載した「明細書」や必要な図面などを作成し、特許庁に出願します。出願は紙でも電子(インターネット)でも可能です。

方式審査

特許庁は提出された書類が所定の形式を満たしているかを審査します。これは、書類に不備がないか、記載内容が適切かどうかを確認するプロセスです。

出願審査請求

出願後3年以内に「出願審査請求」を行わないと、出願は取り下げられてしまいます。出願審査請求を行うことで、特許庁は発明の内容を詳しく審査します。この審査請求には手数料がかかります。

実体審査

実体審査では、特許庁の審査官が発明の「新規性」「進歩性」「産業上の利用可能性」などの要件を満たしているかを判断します。もし発明が特許要件を満たしていない場合、「拒絶理由通知」が送付されます。この通知に対して、出願人は「意見書」や「補正書」を提出して反論や補正を行います。

特許査定

審査を通過し、特許が付与されるべきと判断された場合、「特許査定」の通知が出されます。特許査定が下された後、出願人は一定期間内に特許料(設定登録料)を納付する必要があります。

特許料の納付と特許権の設定登録

特許査定後、所定の特許料(設定登録料)を納付すると、特許権の設定登録が行われ、正式に特許権が発生します。

まとめ

特許法は、発明を保護し、発明者が技術革新を進めるための重要な法律です。本記事で解説したとおり、特許を取得するためには、特定の条件を満たす発明であること、そして正しい手順で出願を行うことが求められます。特許取得のプロセスは複雑ですが、適切に準備を行い、各ステップでの要件をクリアすることで、発明を法的に守り、独占的な権利を確立することが可能です。
特許についての詳細やご不明点がございましたら、どうぞ当事務所までお気軽にお問い合わせください。

野俣智裕
記事の監修者
代表弁護士野俣智裕
弁護士法人 ダーウィン法律事務所 代表弁護士
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