著作権や商標、IT・知財法務にお困りなら
お気軽にご相談ください

著作権や商標、IT・知財法務にお困りなら
お気軽にご相談ください

知的財産コラム

特許を個人で申請する方法!メリットとデメリット、手順を解説

投稿日:2026年08月05日 更新日:2026年08月05日
キーワード:   

「特許を個人で申請する方法について知りたい」
「特許を個人で申請するメリットやデメリットについて知りたい」
と気になりませんか。
新しいアイデアを形にし、他人に真似されないようにするためには「特許申請」が効果的です。しかし、特許申請は専門家に依頼するのが一般的で、個人で行うのは難しいと思われがちです。
本記事では、個人で特許申請をする具体的な手順と、メリット・デメリットについて詳しく解説します。

特許申請とは?基本的な概要を理解しよう


弁護士
野俣 智裕
ここでは、特許の基本について解説します。

特許申請の目的

特許は、発明者の権利を保護し、無断で模倣されることを防ぐために取得します。特許権を取得すれば、他人がその技術を使用する際にライセンス料を請求できるほか、自社製品の競争力を高めることができます。

特許の対象となる発明とは

特許の対象となるのは、技術的なアイデアや発明であり、物、方法、用途の3つのカテゴリーに分類されます。
具体的には、以下のような発明が特許の対象となります。

  • 新しい製品や機械の構造
    機械装置、電子部品、医療機器など
  • 生産方法の改良技術
    製造プロセス、組立方法、品質管理手法など
  • ソフトウェアのアルゴリズム
    特定の課題を解決するための計算手順やプログラムの技術的な構造

個人で特許を申請する際の手順


弁護士
野俣 智裕
ここでは、個人で特許を申請するための具体的な手順を解説します。

発明内容を明確にする

特許を取得するためには、まず自分の発明が特許として認められるかを確認します。
以下のようなポイントに着目しましょう。

  • 発明の新規性(他に類似の技術が存在しないこと)
  • 産業上の利用可能性(実際に産業で利用できる技術であること)
  • 進歩性(技術者が簡単に思いつくものではなく、新たな工夫が加えられていること)

例えば、ある企業が新しいタイプのドアヒンジを発明したとします。このドアヒンジが既存製品とは異なり、開閉時の摩擦を減らす仕組みを持っている場合、特許の対象となる可能性があります。技術的な課題を解決し、実用的な効果を生む発明は、特許取得の可能性が高まります。

先行技術の調査

特許を申請する前に、特許庁のデータベースなどを利用して、同じような技術がすでに特許として登録されていないかを調査します。個人が無料で利用できるデータベースとしては、特許庁のJ-PlatPat(特許情報プラットフォーム)があります。
調査時のポイントは、以下のとおりです。

  • キーワード検索を活用して、関連する特許を網羅的に調べる。
  • 似たような技術がすでに登録されている場合は、改良ポイントを明確にする。

特許申請書類の作成

特許申請には、以下の書類を作成する必要があります。各書類は特許取得の際に重要な役割を果たします。

  • 願書
    出願人、発明者の情報などを記載します。基本的な個人情報を記入し、発明の名称を明確にします。
  • 特許請求の範囲
    保護を求める発明の範囲を特定します。この部分は特許の「権利範囲」を決定する非常に重要な書類です。請求の範囲を広くしすぎると拒絶される可能性があるため、具体的かつ適切な範囲を設定します。
  • 明細書
    発明の技術的な詳細を記載します。明細書では、発明の目的や技術的課題、解決手段、実施例などを具体的に説明します。審査官に発明の内容を正確に伝えるため、わかりやすく記載することが重要です。
  • 図面
    必要な場合のみ、発明を補足するための図解を添付します。図面があることで、発明の構造や仕組みが視覚的に理解しやすくなります。
  • 要約書
    発明の要点を簡潔に説明します。要約書は、発明の概要を短くまとめるため、審査官が一目で発明内容を把握できるようにします。
  • 書類作成の注意点
    特許明細書の内容が曖昧だと、審査官が発明の新規性を認めない可能性があります。明確かつ簡潔に、技術的なポイントを説明することが重要です。

特許庁への申請

申請は、オンラインまたは郵送で行うことができます。手数料が安く、スムーズに進むため、オンラインでの申請がおすすめです。オンライン申請をする場合、電子署名のために電子証明書の準備やソフトのインストールが必要です。

特許庁申請後のフロー

出願後の審査フローの概要は、以下のとおりです。

  1. 方式審査
    提出された書類の形式的な不備を確認します。書類の不備や漏れがある場合は補正指示が行われます。
  2. 出願公開
    出願から1年6ヵ月後に、出願内容が特許公報に公開されます。出願審査請求をしていなくても公開されるため、発明内容が第三者に知られることになります。
  3. 出願審査請求
    特許の実体審査を受けるには、出願から3年以内に出願審査請求を行う必要があります。
    審査請求をしない場合は、出願が取り下げられたものとみなされます。
  4. 実体審査
    出願審査請求を行うと、特許庁による実体審査が開始されます。
    審査官が新規性、進歩性、産業上の利用可能性を確認し、特許要件を満たしているか審査します。
  5. 審査結果の通知
    実体審査の結果、以下のいずれかが通知されます。
    ・特許査定(特許が認められる場合)
    ・拒絶理由通知(特許が認められない場合)

個人で特許を申請する際にかかる費用


弁護士
野俣 智裕
ここでは、個人で特許申請する際にかかる費用について解説します。

出願料

出願料は、特許庁に対して特許出願を行う際に支払う費用です。
出願料は14,000円です。

出願審査請求料

出願審査請求料は、特許庁に対して「この発明を特許として認めるか審査してください」と依頼する際に必要な費用です。 審査請求は、出願から3年以内に行う必要があります。
費用は以下の通りです。

  • 138,000円+請求項1項につき4,000円

特許料

特許料は、特許が認められた後に支払う費用です。 1年目から3年目までの特許料は一括で支払う必要があります。4年目以降は、特許権を維持するために毎年特許料を納付します。

年数 料金
第1年~第3年まで 毎年4,300円+(請求項の数×300円)
第4年~第6年まで 毎年10,300円+(請求項の数×800円)
第7年~第9年まで 毎年24,800円+(請求項の数×1,900円)
第10年~第20(25)年まで 毎年59,400円+(請求項の数×4,600円)

 

電子化手数料

電子化手数料は、書面で特許庁に提出する場合に発生する費用です。電子出願を行う場合はこの手数料は不要です。

  • 手続き1件につき2,400円に、書面1枚につき800円を加算。

個人で特許を申請するメリット


弁護士
野俣 智裕
ここでは、個人で特許を申請するメリットについて解説します。

費用を抑えられる

個人で特許を申請するメリットは、費用を抑えられる点です。弁理士に依頼した場合、申請手続全体で50万円以上の費用がかかることがあります。しかし、個人で申請を行えば、特許庁に支払う実費のみで済みます。

自身の発明を深く理解できる

個人で特許申請を行う場合、発明内容を細かく説明する必要があります。その過程で、発明者自身が技術的なポイントや差別化要素をより深く理解できるようになります。
例えば、明細書作成時には、発明の目的、課題、解決手段を詳細に記載する必要があります。これにより、自分の発明の価値を再確認できるだけでなく、競合技術との違いを明確に把握できます。

手続の自由度が高い

個人申請の場合、手続を自分のペースで進められるという自由度があります。弁理士に依頼すると、スケジュール調整や手続の一部を任せる必要がありますが、個人申請ならば自分のタイミングで書類作成や申請を行えます。

手続に詳しくなることができる

一度、個人で特許申請の手続を経験すると、特許申請に関する知識が深まります。特許申請の流れを理解することで、次回以降の申請がスムーズになります。

個人で特許を申請するデメリット


弁護士
野俣 智裕
ここでは、個人で特許を申請するデメリットについて解説します。

専門知識の不足

特許申請は、特許法や特許庁の手続に関する専門知識が必要です。特許の要となる明細書や特許請求の範囲の作成には、専門的な表現や記載方法が求められ、法律用語や技術用語の適切な使用が重要です。弁理士などの専門家に依頼すれば、こうした問題を避けることができますが、個人で申請する場合は、特許庁のガイドラインをよく確認し、事前に知識を身につける必要があります。

時間と労力がかかる

特許申請は、調査、書類作成、審査請求、対応など、多くの時間と労力が必要です。特に、先行技術の調査に時間を要することが多く、既存の特許を把握するために特許庁のデータベース(J-PlatPat等)を活用する必要があります。

トラブルへの対応が難しい

特許申請後に、審査官から拒絶理由通知が送られることがあります。この通知に対して、意見書や補正書を提出する必要があり、専門的な知識がないと適切に対応するのが難しくなります。

期限の管理が難しい

特許申請には、複数の期限があります。これらの期限を正確に管理し、遅れなく手続を行う必要があります。期限を守らなければ、申請が却下されたり、特許が拒絶されたりすることもあるため、厳密な管理が求められます。

まとめ

個人で特許を申請することは、費用を抑えられる一方で、専門知識が必要なため時間と労力がかかります。特許取得を成功させるには、手続の流れや期限管理を正確に把握することが重要です。特許申請に関する疑問や不安があれば、当事務所までお気軽にご相談ください。

野俣智裕
記事の監修者
代表弁護士野俣智裕
弁護士法人 ダーウィン法律事務所 代表弁護士
■東京弁護士会
■日弁連信託センター

知的財産に関するお悩みは、お電話かメールフォームにて受付けております

初回相談(20分まで)は無料です。お気軽にご相談ください。
※利益相反等の確認ができない場合には対応出来かねることもございますので、予めご了承ください。
※メールフォームからのお問合せの場合、返信にお時間を要します。お急ぎの方はお電話にてご連絡ください。