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知的財産コラム

商標権取得のための登録要件とは?分かりやすく解説します

投稿日:2026年02月10日 更新日:2026年02月10日
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商標権取得のための登録要件とは?分かりやすく解説します

商標権の登録要件を知ることは非常に重要です。なぜなら、商標権を取得することは、企業や個人が自身のブランドや製品を保護し、他者からの模倣や混同を防ぐために不可欠だからです。商標登録には特定の要件を満たす必要があります。本記事では、商標登録の基本的な要件について詳しく説明します。

商標制度の基本的な概念


弁護士
野俣 智裕

商標制度は、商品やサービスを識別するためのシンボルやマークを保護する法的枠組みです。商標は、企業や個人が商品やサービスを識別し、顧客に信頼感や品質を伝える重要な手段です。この制度は、市場における公正競争を促進し、消費者や企業の利益を守ることを目的としています。

商標法が保護する対象とは?


弁護士
野俣 智裕

商標法が保護する対象は、広範な要素を含みます。具体的には、文字、図形、記号、立体的形状、色彩、これらの組み合わせ、音、および政令で指定されたその他の要素が該当します。商標は、人が識別できるものでなければなりません。商標は、商品や役務の提供者が自社の商品や役務を他者から識別し、差別化するために使用します。

登録要件1:使用意思があること


弁護士
野俣 智裕
商標法における登録要件の1つである「使用意思があること」に関する条文は、商標法第3条1項柱書において規定されています。商標登録を受けるためには、自分の業務に関連する商品や役務に使用される商標であることが求められます。そのため、商標の使用については合理的な疑義がある場合には、事業計画書や使用意思表示書などの提出が求められることがあります。

登録要件2:他と識別できること


弁護士
野俣 智裕

商標法の登録要件の一つは、他の商標や表示と区別できることです。商標が他の商標と容易に混同されるような類似性がないことが重要です。これにより、消費者が商品や役務の出所を正確に識別できるようになります。商標の識別性は、市場での商品や役務の識別において重要な役割を果たします。ここでは、識別力のない商標について解説します。

商標法第3条1項1号: 商品または役務の普通名称を示す商標

「商品または役務の普通名称を示す商標」とは、一般的な商品や役務の名前を表す商標のことです。例えば、商品が「りんご」である場合に「りんご」という商標を登録しようとする場合、商標法第3条1項1号により普通名称を示す商標であるため登録できません。

商標法第3条1項2号: 慣用された商標

慣用された商標は商標登録できません。慣用された商標は、同業者の間で一般的に使用されることで、自社の商品や役務と他社の商品や役務を区別する機能を失った商標を指します。このような商標は商標登録できません。

商標法第3条1項3号:記述的な商標

記述的な商標とは、商品や役務の性質や特徴をそのまま言葉で表現した商標のことです。具体的には、商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装を含む)、数量、価格、または役務の提供場所、質、提供する物、効能、用途、態様、提供方法、時期などを普通に用いられる方法(一般的な方法)で表示するものです。例えば、「宇治新茶」の商標は、「宇治」が産地を示し、「新茶」が品質を示しています。同様に、「東京銀座」や「冷凍食品」といった商標も記述的な商標に該当します。しかし、このような商標は、他の業者と区別する機能が乏しいため、商標登録の要件を満たしません。商標登録を受けるためには、他の業者と区別する能力があり、独自性がある商標である必要があります。

商標法第3条1項4号: 一般的な氏名や名称を示す商標

この規定は、同種の氏名や名称が多数存在し、一般的に使用されるものを指します。たとえば、「山田」や「株式会社」といった商標がこれに該当します。これらの商標は、一般的な氏名や業種名を含んでおり、他の業者と区別するための識別力が十分ではないと見なされます。なお、商標がカタカナ文字やローマ字で表示されている場合でも、同様に適用されます。

商標法第3条1項5号: 極めて簡単でありふれた商標

非常に単純でありながら一般的な商標について述べられています。つまり、商標があまりにも簡単な構造であり、他の企業がよく使うようなものである場合、その商標は登録できません。たとえば、1つのひらがな文字や2つのローマ字、一般的な図形などがこれに該当します。

商標法第3条1項6号:需要者が 業務に関連することがわからない商標

需要者がどの業務に関連しているかが明確でない商標は、登録できません。たとえば、一般的な店舗名や、商品の特徴を示す音などがこの規定に該当します。

登録要件3:公益性に反しないこと(公共機関等と紛らわしくないこと)


弁護士
野俣 智裕

商標登録の要件の3つ目は、公益に反しないことです。公共機関などと紛らわしい商標を登録することはできません。ここでは、公共性に反すると判断される商標について解説します。

商標法4条1項1号から7号の具体例

商標登録できない商標には、以下のようなものが含まれます。
➀国旗、菊花紋章、勲章、褒章などの国や外国の国旗や記章と同じまたは似た商標
②パリ条約、世界貿易機関、または商標法条約の加盟国の国の紋章など、経済産業大臣が指定する記章と同じまたは似た商標
③国際連合や他の国際機関を表示する標章で、経済産業大臣が指定するものと同じまたは似た商標。ただし、自己の業務に関連する商品や役務を表示する商標や、国際機関の略称を表示する商標で、誤認を生じさせない場合は除外されます。
④赤十字の標章や名称、または特殊標章に同じまたは似た商標
⑤日本国や国際機関の監督用の印章や記号などと同じまたは似た商標。ただし、その印章や記号が使用されている商品や役務と同じまたは似たものに限ります
⑥国や地方公共団体、または公益に関する団体の表示する標章で、著名なものと同じまたは似た商標
公の秩序や善良の風俗を害するおそれのある商標

商標法第4条9号の具体例

特定の博覧会の賞と同一または類似の標章を有する商標を、受賞者以外の者に対して商標登録することを禁止する規定です。政府や地方公共団体の作った賞が対象となります。

登録要件4:他人の登録商標と紛らわしくないこと


弁護士
野俣 智裕

商標登録の要件として、他人の商標と紛らわしくないことが求められます。ここでは、規定を通じて、他人の商標との紛らわしさを避けるための具体的な要件や例を解説します。

商標法第4条8号の具体例

他人の肖像や氏名、名称、雅号、芸名、筆名などを商標として使用する場合について規定されています。この場合、その他人の承諾が必要とされます。具体例としては、有名人の名前や愛称、または企業の略称などが挙げられます。

商標法第4条10号の具体例

需要者の間で広く認識される商標や類似する商標を使用する場合について規定されています。これには、商品や役務の出所を示す商標が含まれます。具体例としては、全国的に知名度のある商品や地域ブランド、企業のロゴマークなどが挙げられます。周知度や類似性を考慮し、混同を避けることが重要です。

商標法第4条11号の具体例

すでに登録されている商標と同一または類似の商標を登録することができません。これは、商品や役務の出所を混同させることを防ぐための規定です。商標の類似性や関連性を判断し、混同を避けることが求められます。

商標法第4条14号の具体例

品種登録を受けた品種の名称と同一または類似の商標を登録することができません。これは、品種の出所を明確にするための規定です。登録品種の名称の使用を制限し、混同を避けることが目的です。

商標法第4条15号の具体例

他人の業務に係る商品や役務と混同を生じるおそれがある商標を登録することができません。これは、商品や役務の出所を明確にするための規定です。商標の類似性や関連性を考慮し、混同を避けることが求められます。

商標法第4条17号の具体例

特定のぶどう酒や蒸留酒の産地を表示する商標を、その産地以外の地域の商品に使用することが禁止されています。

商標法第4条19号の具体例

広く認識されている他人の商標と同一または類似の商標を不正な目的で使用することが禁止されています。

まとめ


弁護士
野俣 智裕

お気軽にご相談ください。

今回は、商標権の取得要件について解説しました。商標登録を検討している方はぜひ、当事務所までお問い合わせください。

よくある質問

Q.商標登録に必要な「使用意思」要件とは何ですか?
A.商標は、事業に関連する商品・役務で使用されることが前提で、使用意思があることを示す事業計画書や使用意思表示書が必要になる場合があります。
野俣智裕
記事の監修者
代表弁護士野俣智裕
弁護士法人 ダーウィン法律事務所 代表弁護士
■東京弁護士会
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