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知的財産コラム

【不正競争防止法の営業秘密】定義や対策を徹底解説

投稿日:2026年02月20日 更新日:2026年02月20日
【不正競争防止法の営業秘密】定義や対策を徹底解説

「不正競争防止法において、営業秘密はどのような定義がされているの」
「不正競争防止法で営業秘密漏洩を防ぐ対策をしたい」
と気になっていませんか。
会社の大切な情報を守るためには、様々な対策をする必要性があります。
本記事では、営業秘密に関する定義や対策について、深掘りして解説します。

不正競争防止法の営業秘密とは?

不正競争防止法では、営業秘密について、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものと規定しています(2条6項)。


弁護士
野俣 智裕
会社や組織が優位性を保つために保持している、外部に公開されていない重要な情報のことです。これには技術や営業に関するデータ、例えば、顧客リストや製品の開発プロセスなどが含まれます。

不正競争防止法と営業秘密3要件


弁護士
野俣 智裕

営業秘密が法的に保護されるためには、ここで紹介する3つを満たす必要があります。

秘密管理性

営業秘密として保護されるためには、企業が公にしたくない情報に関して、社員や外部者等にそれが分かるように利用の制限やマル秘表示など、秘密を守るための措置がとられている必要性があります。

有用性

営業秘密は自社にとって有用であることが求められます。例えば、独自の製品開発方法や販売戦略といった情報です。ライバル会社に知られると自社にとって不利益となるような場合は認められます。単なる雑談や企業の広報活動に関するものは該当しません。

非公知性

これは、情報が公において認知度が低いことを指します。簡単に取得できるようなものではなく、保有者のコントロール下でなければ一般的に入手できないものであることが必要です。

営業秘密に関し違法行為になるケース


弁護士
野俣 智裕
ここでは、営業秘密に関して違法行為に該当するケースについて解説します。

不正競争防止法2条1項4号

詐欺や強迫、窃取等、不正な手段で営業秘密を取得することをしてはいけません。また、そのようにして得た情報を使用することや、他の人に提供することも同様です。

同項5号

不正に取得された営業秘密を知りながら(または、極めて大きな不注意により知らないまま)使うことや、他人に提供することをしてはいけません。

同項6号

最初はその情報が不正に取得されたものであることを知らなかったとしても、後で不正取得された情報であることを知ったにもかかわらず(または、極めて大きな不注意により知らないまま)、使用することや開示することは禁止されています。

同項7号

正式に会社等から営業秘密を教えられた場合でも、不正な利益を得る目的や、その会社に損害を与える目的でその情報を使うことや、他人に提供することをしてはいけません。

同項8号

簡単にいえば、他人の営業秘密を正当な方法で手に入れた人が、以下のような行為をする場合が問題となります。
・(A) 不正な利益を得る目的または会社に損害を与える目的で営業秘密を開示
・(B) 秘密を守る法律上の義務に反して営業秘密を開示
・(A)(B)を不正開示行為といいます。
さらに、正当な手段で手に入れた人から、秘密情報を得た人が、(A)(B)に該当するようなことや介在があったことを知っていたか、重過失によって知らないままに取得し、使用、開示することが問題となります。
例えば、会社で重要なデータを管理している従業員がお金を儲けるためにそのデータを外部に不正に流出させ、その情報を別の会社の人が秘密情報だと知っているのに購入して利用しているケースが該当します。

同項9号

簡単にいうと、他の人の営業秘密を正当に取得した1番目の人からのデータを2番目の人が得て、後でそれが不正に開示されたことを知りながら、使用・開示するケースが該当します。
例えば、企業がライバル会社等の元従業員を中途採用し、その従業員が前の勤務先から持ち出した営業秘密を使用していたとします。前の勤務先から警告が来た後にもかかわらず、その営業秘密を使い続けることです。

同項10号

技術的な営業秘密(例えば、新しい製品の設計や製造プロセスに関する情報)を不正に使用して作られた物品について、その物品を第三者に譲渡したり、輸出入したりする行為を禁止するという内容です。
ただし、その物品を譲り受けた第三者が、その物品が不正に使用された営業秘密によって作られたものであることを知らず、また、その知らなかったことに重大な過失がなければ、その第三者はこの禁止行為に該当しません。
簡単な例として、不正に技術情報を盗んで作られた製品がある場合、それを知っている企業がその製品を輸出することや、他者に販売することは違法となります。一方、その製品が不正に作られたものであると知らずに購入した企業は、この法律の適用外となる場合があります。

営業秘密の侵害が起こらないようにするための対策


弁護士
野俣 智裕

ここでは、営業秘密の侵害が起こらないようにするための対策について解説します。

秘密情報を特定して管理すること

まず、営業秘密となる情報を特定し、それを適切に管理することが重要です。どのデータが該当するかを明確にし、そのデータを利用できる人を制限することで、漏洩リスクを最小限に抑えます。例えば、機密データに「マル秘」ラベルを貼り、特定の従業員のみが利用できるようにすることが一つの方法です。会社がシークレットにしたいものを、働き手が分かる状態に置いておくようにしましょう。

社内規程やルールの整備

営業秘密の管理に関する社内規程やルールを整備し、社員に周知することも必要です。例えば、データの取扱いに関するルールを明文化し、データ漏洩時の責任や罰則を明確にすることが求められます。ルールを作成することで、社員全員が重要性を理解し、適切な取扱いを徹底することができます。また、ルール作りを行う際には、一度会社内に存在するデータや資料を見直すことも大切です。社外に出てはいけないような資料に普段から社員が触れている場合、会社の業務内容ごと見直す必要性に迫られる可能性もあるからです。

物理的・技術的なセキュリティ対策

物理的に大切なデータを守るために、オフィスのセキュリティ強化として、重要な資料を施錠されたキャビネットに保管することや、入退室管理システムを導入して、特定の部屋への入退室を制限します。特定の社員以外は入室できないところに資料を保管することによって誰が情報を持ち出したのかを特定することが可能になり、防犯効果が高まります。また、技術的にはパスワード保護やデータの暗号化、ファイアウォールの導入などが効果的です。特にパソコンの共有フォルダ内に業務上、重要なデータを置かざるを得ない場合にはパスワードを必ず設定するようにしてください。

社員教育の実施

継続的な社員も重要です。営業秘密の重要性や、違反した場合のリスクについて定期的に教育し、データ管理の徹底を図ります。研修を行うことで、社員が日常業務でどのように振る舞うべきかが理解でき、データ漏洩の防止に貢献します。特に、会社がシークレットとしたい情報が外部に出てしまうとどれだけ大きなダメージを負ってしまうのかについてはしっかりと教育して理解してもらうようにしましょう。会社のトップシークレットに対する意識が変わることが期待できます。また、社員に対して普段から配布する資料などに関しても、会社側が配慮をするようにする必要性も出てきます。どの社員に対してどこまでの情報を提供するのか、また、提供された社員が外部に情報を出してしまわないようにするために契約書を結ぶなどの対策をとることも大切です。

営業秘密を侵害された場合にできること

ここでは、営業秘密を侵害されてしまった場合にできることについて解説します。

差止請求

使用や開示の差止めを請求することができます。差止請求は、裁判所に対して不正使用を停止させる命令を求める手続です。

損害賠償請求

損害賠償請求を行うことが可能です。企業は、被った経済的な損害を請求できます。

信用回復措置請求

企業の信用が損なわれた場合には、信用回復措置を請求することも可能です。信用回復措置とは、謝罪広告や公表など、失われた信用を回復するための措置をとることを裁判所に求めることを指します。

刑事告訴

刑事告訴により、侵害者は懲役や多額の罰金などを科される可能性があります。刑事告訴を行うことで、強力な抑止効果を発揮することができます。

まとめ

営業秘密の保護は、企業の競争力を維持し、データ漏洩を防ぐために大切です。また、侵害を防ぐためには、データの特定や管理、社内規程の整備、セキュリティ対策、教育など多面的な取組みが必要です。営業秘密に関する悩みをお持ちの方はぜひ、当事務所までお気軽に相談ください。

よくある質問

Q.不正競争防止法における営業秘密の定義は何ですか?
A.営業秘密は、秘密として管理されている生産方法・販売方法等の技術・営業情報で、公然と知られていないものを指します。
野俣智裕
記事の監修者
代表弁護士野俣智裕
弁護士法人 ダーウィン法律事務所 代表弁護士
■東京弁護士会
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