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知的財産コラム

企業がオリジナルグッズを作る際に必ず押さえるべき著作権の基礎知識

投稿日:2026年10月02日 更新日:2026年10月02日

「オリジナルグッズと著作権には、どのような関係性があるのだろうか」
「オリジナルグッズと著作権について知りたい」
と気になりませんか。
オリジナルグッズは、企業のブランド価値を高めたり、販促や採用活動を後押ししたりする有効な手段です。一方で、著作権や商標権への理解が不十分なまま制作を進めてしまうと、思わぬ法的トラブルにつながるおそれがあります。
実際に、「制作会社に頼んだから問題ないと思っていた」「社内で作ったから自由に使えると思っていた」といった理由で、後から指摘を受けるケースは少なくありません。
本記事では、企業がオリジナルグッズを作る際に最低限押さえておくべき著作権の考え方と、実務上の注意点について、分かりやすく解説します。

オリジナルグッズと著作権の関係を正しく理解する


弁護士
野俣 智裕
ここでは、オリジナルグッズと著作権の基本的な関係について解説します。

オリジナルグッズ制作でも著作権は関係する

オリジナルグッズは「自社オリジナルだから問題ない」と考えられがちですが、実際には多くの場面で著作権が関係します。
例えば、以下のようなものは著作権の対象になり得ます。

  • イラスト
  • 写真
  • デザイン
  • ロゴのレイアウト
  • キャッチコピー

たとえ自社で企画したものであっても、制作過程で第三者の著作物を利用していれば、著作権の問題が発生します。

「自社で作る=自由に使える」わけではない

自社が費用負担したとしても、外注デザイナーや業務委託者が制作したデザインは、契約内容によっては著作権が制作者側に残るケースもあります。
この場合、使用範囲を超えてグッズ展開すると、問題になる可能性があるのです。
「お金を払った=権利をすべて取得した」と誤解されがちですが、これは非常に危険な考え方です。

企業活動におけるグッズ制作は商用利用扱いされる傾向にある

企業が制作するグッズは、「商用利用」と判断される傾向にあります。
たとえば、以下のようなケースも、商用利用に該当する可能性があるのです。

  • 展示会で配布するノベルティ
  • キャンペーンの景品
  • 採用活動で配布するグッズ
  • 自社イベント用の記念品

著作権とは?


弁護士
野俣 智裕
ここでは、著作権の基本構造について解説します。

著作者人格権

著作者人格権とは、著作物を作った人の「人格」を守る権利です。
主に次のような内容が含まれます。

  • 勝手に内容を改変されない権利
  • 作者名を表示するかどうかを決める権利
  • 自分の作品として公表するかを決める権利

この権利は譲渡できず、契約で権利そのものを放棄させることもできません。
そのため、たとえ使用許諾を得ていても、勝手な改変などは問題になる可能性があります。

財産権

財産権は、著作物を利用して利益を得る権利です。

  • 複製
  • 配布
  • 販売
  • Web掲載
  • グッズ化

これらを行うには、原則として著作権者の許諾が必要です。

オリジナルグッズ制作で問題になりやすい権利関係


弁護士
野俣 智裕
ここでは、特にトラブルになりやすい権利について解説します。

著作権

イラスト、写真、文章、デザインなど、創作性のあるものは基本的に著作権で保護されます。
インターネット上の画像やフリー素材であっても、利用規約に反した使い方をすれば著作権侵害となります。

商標権

企業ロゴ、商品名、ブランド名などは商標権で保護されていることがあります。
たとえ自社の社名であっても、ロゴデザインを第三者が作成している場合には注意が必要です。

肖像権

人物が写っている写真やイラストを使用する場合、肖像権の問題が発生します。
社員の写真であっても、利用目的によっては同意が必要になるケースがあり、タレントやインフルエンサーの場合は特に慎重な対応が求められます。

起こり得る著作権トラブル


弁護士
野俣 智裕
ここでは、実務上起こる可能性のあるトラブル例を紹介します。

ネット画像やフリー素材をそのまま使用してしまう

「フリー素材だから大丈夫」と思って使用した画像が、実は商用利用不可だったというケースがあります。
利用規約を確認せずに使用すると、後から削除要請や損害賠償請求を受けることもあります。

外注デザイナーの制作物を自由に使えると誤解する

デザインを外注した場合でも、契約で権利の帰属を明確にしていなければ、自由に使えないケースがあります。
特に注意すべきなのが「二次利用」「別媒体での使用」です。

ノベルティ・販促物だから問題ないと思い込む

「販売していないから大丈夫」という認識は誤りです。
販促目的であっても、企業活動の一環であれば商用利用と判断され、著作権侵害となる可能性があります。

オリジナルグッズを安全に制作する方法


弁護士
野俣 智裕
ここでは、企業がオリジナルグッズを制作する際に、著作権トラブルを回避しながら安全に進めるための具体的な方法について解説します。

完全オリジナルデザインで制作する

もっとも安全なのは、他人の著作物に依存しない「完全オリジナル」のデザインで制作することです。
既存のキャラクターやロゴ、イラストを参考にして作成した場合でも、完成物が似ていれば著作権侵害と判断される可能性があります。
「少し変えたから大丈夫」「雰囲気だけ参考にした」という認識は通用しない可能性があるため、第三者の作品に依拠しないデザインであることが重要です。

商用利用可能な素材を正しく使う

フリー素材や素材サイトを利用する場合でも、必ず利用規約を確認する必要があります。
商用利用可と書かれていても、以下のような制限が設けられているケースがあります。

  • グッズ化や販売目的での利用が不可
  • クレジット表記が必須
  • 加工や二次利用が禁止されている

企業の販促物として使用する場合は、利用範囲が明確な有料素材や商用利用前提の素材を選ぶ方が安全です。

著作権者から正式に「利用許諾」を取得する

他人の著作物を使用する場合は、著作権者から正式に許諾を得る必要があります。
この際は、口頭ではなく書面で、以下の内容を明確にしておくことが重要です。

  • 使用目的
  • 使用範囲(印刷物、販促物など)
  • 使用期間
  • 二次利用の可否

グッズは長期間使用されることが多いため、事前に条件を整理しておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。

制作会社に依頼すれば安心、とは限らない


弁護士
野俣 智裕
ここでは、オリジナルグッズを制作会社に依頼した場合でも注意すべき著作権上のポイントについて解説します。

著作権侵害の責任は原則として発注側が負う

オリジナルグッズを制作する際、実際にデザインや印刷を行うのは制作会社であっても、その内容についての最終的な責任は「発注者側」にあるのが原則です。
多くの制作会社では、「提供されたデータが第三者の権利を侵害していないことを保証する」という趣旨の条項が利用規約や契約書に明記されています。
つまり、

  • 支給した画像に著作権があった
  • ロゴやイラストの使用許諾を取っていなかった

といった場合でも、制作会社ではなく発注企業が責任を問われるケースがほとんどです。
「業者が作ったから問題ない」という認識は、法的には通用しない可能性がある点に注意が必要です。

契約書・利用条件を確認する

トラブルを防ぐためには、制作を依頼する前に契約書や利用規約の内容を必ず確認しておくことが重要です。
特に確認すべきポイントは次のような点です。

  • 著作権の帰属はどちらにあるのか
  • 制作物を二次利用・再利用できるのか
  • トラブル発生時の責任の所在
  • デザインデータの著作権は譲渡されるのか

これらを曖昧なまま進めてしまうと、
「別の販促物に使えない」
「追加費用を請求された」
といった問題が起こりやすくなります。
オリジナルグッズは長期的に使われることが多いため、制作前に権利関係を整理しておくことが、結果的に企業を守ることにつながります。

まとめ

オリジナルグッズは企業活動において有効な手段ですが、著作権・商標権・肖像権といった法的リスクを正しく理解していないと、思わぬトラブルにつながるおそれがあります。
「自社制作だから」「業者に依頼したから大丈夫」と考えず、事前に権利関係を確認することが重要です。
少しでも判断に迷う場合は、早めに専門家へ相談することでリスクを回避できます。
オリジナルグッズ制作に関する著作権のご相談は、当事務所までお気軽にご相談ください。

野俣智裕
記事の監修者
代表弁護士野俣智裕
弁護士法人 ダーウィン法律事務所 代表弁護士
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